📊 決算ファクトリー
🍺
東証プライム 2503 食品・飲料 有証2025年度

キリンホールディングス株式会社

有価証券報告書 第187期(2025年1月〜12月)

売上収益 (2025)
2.43兆円
前期比 +4.1%
純利益 (2025)
1475億円
前期比 +153%
ROE (2025)
12%
前期 5.0% → 改善
自己資本 (2025末)
1.29兆円
10年で +1.85倍
01

売上収益10年の軌跡:コロナ禍を乗り越え2.4兆円企業へ

コロナ禍の逆風を乗り越え、10年で3割超の安定した売上成長を達成。

キリンHDの売上収益は、2016年の1.85兆円から2025年には2.43兆円へと、10年間で31%以上の力強い成長を遂げました。コロナ禍の2020年には一時的な落ち込みを見せたものの、翌々2022年には+9.2%と急回復し、高いレジリエンスを証明。特に2024年の+9.6%という伸びは、価格改定の成功とオーストラリアなど海外事業の貢献が大きく、グローバル企業としての実力を示しています。安定した増収基調は、同社の事業基盤の強固さを物語っています。

売上収益 / 純利益 推移(億円)

02

利益の変動と2025年大逆転劇

特別損失で利益は乱高下するも、本業の稼ぐ力(営業CF)は過去最高で安定。

純利益の動きは売上とは対照的にドラマチックです。2019年と2024年に、それぞれ豪州事業の減損やミャンマー事業撤退といった特別損失により、純利益が半減する事態となりました。しかし、これらは本業の悪化が原因ではありません。その証拠に、実際に稼いだ現金を示す営業キャッシュフローは2025年に過去最高の2954億円を記録。そして2025年、特別損失の反動から純利益は前期比+153%の1475億円へと劇的なV字回復を遂げ、1株利益も過去最高水準に達しました。

税引前利益 / 純利益 推移(億円)

03

財務体力と安全性:盤石な財務基盤を構築

自己資本は10年で1.8倍に増加し、企業の安全性と安定性は着実に向上。

キリンHDの財務は極めて健全です。株主の資本である自己資本は、2016年の6958億円から2025年末には1.29兆円へと、10年で約1.8倍に増加しました。総資産も2.4兆円から3.5兆円へと拡大しており、借入に頼らない健全な成長を遂げていることがわかります。一時的に現金が減少する局面もありましたが、年間2900億円を超える営業キャッシュフロー創出能力があるため、全く問題ありません。株主資本利益率(ROE)も2025年に大きく改善し、資本効率の高さも示しています。

自己資本 / 総資産 推移(億円)

ROE推移(%)

04

総括と投資判断のポイント

短期的な利益の波はあれど、本業の強さと財務健全性は長期投資の魅力を高める。

キリンHDは、安定した売上成長と強力なキャッシュ創出能力を持つ、本業が非常に強い企業です。財務基盤も年々強化されており、長期的な安定性は高いと言えるでしょう。一方で、海外事業の再編などに伴う特別損失で短期的な純利益が大きく振れやすい点は注意が必要です。しかし、そうした一時的な損失を乗り越え、株主価値を向上させてきた歴史は評価できます。純利益の短期的な変動に惑わされず、本業の強さと財務の健全性に着目できる長期投資家にとって、魅力的な選択肢の一つと言えそうです。

免責事項

本記事は金融庁EDINET公開データ(有価証券報告書)をもとに作成した情報提供を目的とするものであり、特定の銘柄への投資を推奨するものではありません。投資判断はご自身の責任のもとで行ってください。